約 1,738,157 件
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/181.html
SS自作スレまとめ DEEP BLOOD 【本文】 【執筆状況】 20xx/xx/xx 禁書SS自作スレpart4にて 20xx/xx/xx 完結 【著者】 x-xxx (トリップ) 【あらすじ】 【解説】
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/77.html
SS自作スレまとめ お食事券と激突する女達 【本文】 【初出】 2007/01/10 禁書SS自作スレにて掲載。 2007/02/20 打ち切り宣言。 【著者】 1-868 (トリップなし) 【あらすじ】 【解説】
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/75.html
SS自作スレまとめ とある打ち止めと座標移動 【本文】 『プロローグ』(未編集) 『第一話』(未編集) 『第二話』(未編集) 『第三話』(未編集) 『第四話』(未編集) 【】 07/01/24までのまとめ 章の区切りが判らなかったので、1000行を目安で適当に分割 【著者】 【あらすじ】 【解説】
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/100.html
Date 2006/04/11(Tue) Author SS1-169 ※注1 このSSには九巻のネタバレが含まれます。ネタバレを望まない方は目を閉じ息を止めて一気にスクロールしてください。 ※注2 このSSは十巻の展開予想SSです。あくまで自分がこうなるだろう、あるいはこうなって欲しいと思う幻想です。万が一実際の十巻とネタがかぶってしまったとしても、当方は一切責任を負いません。 ※注3 いきなり終章です。 ※注4 私は吹寄制理さんが大好きです。 終章 それぞれの幸い Yellow_Yellow_Happy そして、吹寄制理は目を覚ます。 長い時間眠っていたせいで開きにくい目蓋をこじ開けると、最初に見えたのは真白い天井だった。寝ている間に着替えさせられたらしい病人着の肌触りと鼻につく薬品の匂いが、ここが病院であると告げる。 (そうか……あたしは日射病で倒れて……) 少しずつ記憶が甦ってくる。 中学生同士の玉入れの中に上条当麻を見つけ、注意しようと声をかけた途端、いきなり倒れてしまったんだった。 不覚、という思いよりも先に、上条が最後に見せた辛そうな顔が思い出される。 吹寄が倒れたのは自分のせいだとでもいうように、抱えきれないほどの後悔と情けなさに彩られた苦い表情を思い出す。 彼はまだ、あんな表情をしているのだろうか。 (…………、) 緩い体に力を入れる。どれだけの時間寝ていたのかはわからないが、まさか大覇星祭が終わっているということはあるまい。 自分が台無しにしてしまった分を埋め合わせるだけの時間は、残っているだろうか。 ベッドに肘をつき、上体を起こす。消耗しきった体はまだまだ睡眠を欲していたが、俯くクラスメイトの姿を思い浮かべ、吹寄はそれこそ全身の力を振り絞ってベッドの上に起き上がった。 胸までかかっていた薄い毛布を跳ね除け、縦に九十度向きを変えた視界の中に、 上条当麻がいた。 「…………貴様……!」 ツンツンした黒髪のクラスメイトを視認した瞬間、吹寄がしたことは枕を持ち上げることだった。 濡れた下着を見られても、着替え中に乱入されてもいつも通りだった顔が一気に紅潮する。こちらの意識がない内に寝所に忍び込まれ、もしかしたら寝顔を見られたかもしれないということが不自然なくらい吹寄を動揺させた。まずこの枕で叩き起こしてその後包帯の上からゲンコツを突き刺してやろうと決意して大きく右手を振りかぶり、 「………………………………………………………………、」 やめた。 吹寄は枕を毛布越しにふとももの上に乗せる。 別に、怒りと羞恥心が無くなったわけではない。むしろ爆発寸前で強引に押さえつけてしまったため、行き場を失った感情が胸の辺りで燻ぶっていて気持ち悪いくらいだ。 ただ、 よく見れば、上条は傷だらけだった。 額といわず腕といわず脚といわずどこもかしこも包帯まみれで、いくら大覇星祭でもここまでひどい怪我をするはずがないだろうってくらいにボロボロだった。 さらによく見れば、上条は眠っていた。 病室の床に座り込み、吹寄のいるベッドの正面の壁に背中を預けるようにして。 完全に脱力した四肢からは、体力のかけらも残っていないことがうかがい知れる。呼吸に合わせた緩やかな肩の動きがなければ、死体と思い違えていたかもしれない。 そして、もっとよく見れば。 こんなにボロボロなのに、 こんなに疲れきっているのに、 上条当麻は、笑っていた。 まるでこれまで背負ってきた苦悩の全てが消え去ったような、この上なく安らかな眠りだった。 「…………えっと」 吹寄制理は考える。 上条当麻は何のためにこの病室に来たのだろう。 傷だらけで、恐らく這うようにしてたどり着いたこの病室で、上条は何を見たのだろう。 何を見たから——上条はこんなにも幸せそうに眠れたのだろう。 「…………、」 吹寄は自分の体を観察する。 気分はかなりよくなっている。熱っぽい感じもしないし、喉が渇いて堪らないということもない。 全快とは言い難いが、あと一日くらいゆっくり休めば、残りの日程に参加できるようになるかもしれない。 だから、さっきまでの彼女の眠りは比較的穏やかなものであったはずで。 「…………、」 吹寄は想像する。 もし彼女が倒れたのが日射病なんかではなく、何か異常な原因があったとしたら、あんな顔で叫びを上げたこのクラスメイトは、なんとなく、多少の無理をしてでもその原因をどうにかしようとするのではないだろうか。 そして体中に傷を負って、原因を排除できた後、誰より安静が必要なはずのこのクラスメイトは、自分がやったことが本当に上手くいったのかどうかを確かめようとするのではないだろうか。 痛みを堪えてドアを開き、ベッドの上で小さな寝息を立てている少女を見つけたのなら、このクラスメイトはきっと微笑むのではないだろうか。 後は、そのまま崩れ落ちるように。 やり遂げたというように。 こんな風に眠るのではないだろうか。 「…………馬鹿馬鹿しい」 吹寄制理は自分の想像をその一言で片付けた。 そう、そんな馬鹿馬鹿しいことあるわけないのだ。いつもいい加減でやる気の感じられないこの少年に、そんな漫画の主人公みたいな真似ができるとは思えない。またどこかで女性絡みのトラブルに巻き込まれて、命からがらここに逃げ込んだとかいうのが関の山だろう。 ——だけど。 上条当麻は、笑っていた。 それだけは疑いようの無い、吹寄の目にはっきりと映っている事実だ。たとえ真実がどうであれ、事実は今ここにある。 泣き出しそうな悲しみに打ちひしがれ、忘れたいほどの情けなさに俯き、叫んだクラスメイトが、この病室に来たことで笑えるようになったというのなら、それは悪くない。 まったく悪くない。 (……あー、なるほど) 吹寄は理解する。 話に聞いていただけで、どんなものなのか見当もついていなかったけれど。 よりにもよって、自分が実感するなんて思ってもみなかったけれど。 「これがカミジョー属性ってやつなわけね。まったく、悪くないにもほどがあるわよ」 誰に対して怒っているのか、それとも本当は怒ってなんかいないのか判断のつかない独り言をつぶやいて。吹寄は毛布をかぶり直してもう一度眠ることにした。 次に目を覚ました時、まだ上条当麻が同じ場所で寝ているようなら、今度こそ枕をぶつけてやろうと心に決めて。 眠りに落ちる寸前に、吹寄制理は確信した。 明日はきっと、誰にとっても幸せな日になると。
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/139.html
投下ログ 1スレ目 2スレ目 3スレ目 ※投下ログ内のテキストをむやみに改訂することは、たとえ作者であってもご遠慮ください。
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/9.html
@wikiにはいくつかの便利なプラグインがあります。 アーカイブ コメント ニュース 人気商品一覧 動画(Youtube) 編集履歴 関連ブログ これ以外のプラグインについては@wikiガイドをご覧ください = http //atwiki.jp/guide/
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/20.html
元スレ:とあるSSの禁書目録 PART2 SS 2-4(未編集) 1-943 Festival of large star IF (9) SS 2-5(未編集) 1-868 お食事券と激突する女達 (7) SS 2-6(未編集) 1-943 Festival of large star IF (10) SS 2-14(未編集) 1-943 Festival of large star IF (11) SS 2-23(未編集) 1-169 『とある天使の灰姫遊戯(シンデレラストーリー)』 第四章(6) SS 2-26(未編集) 1-943 Festival of large star IF (12) SS 2-48(未編集) 1-912 とある魔術の禁書目録外伝~僕たちの聖杯戦争~ 1日目 Crimson Riot SS 2-53(未編集) 1-169 ハレ晴れユカイ ~インデックスver SS 2-61(未編集) 1-943 とある昼食のラブコメ(1) SS 2-62(未編集) 1-943 とある昼食のラブコメ(2) SS 2-63(未編集) 1-943 とある昼食のラブコメ(3) SS 2-74(未編集) 1-758 月姫クロスオーバー『DEEP BLOOD』(2) SS 2-80(未編集) 1-943 とある昼食のラブコメ(4) SS 2-81(未編集) 1-943 とある昼食のラブコメ(5) SS 2-89(未編集) 1-943 とある昼食のラブコメ(6) SS 2-90(未編集) 1-943 とある昼食のラブコメ(7) SS 2-91(未編集) 1-943 とある昼食のラブコメ(8) SS 2-111(未編集) 1-375 「 交差する乙女心 valentine_Day 」 SS 2-117(未編集) 1-943 「2・14 チョコパニ 上条当麻の受難」 SS 2-123(未編集) 1-641 「とある一日の終幕逸話」 SS 2-130(未編集) 1-943 「2・14 チョコパニ 上条当麻の受難」二話=「とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)」(2) SS 2-132(未編集) 1-375 替え歌 「FLAG 2」 SS 2-137(未編集) 1-758 月姫クロスオーバー『DEEP BLOOD』(3) SS 2-145(未編集) 1-943 「とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)」(3) SS 2-148(未編集) 1-943 『告白儀式』(ハートトゥハート)おまけ 替え歌 「FALCO -ファルコ-」 SS 2-151(未編集) 1-943 『告白儀式』(ハートトゥハート)おまけ2 替え歌 「WONDER MOMO-i~New recording」 SS 2-154(未編集) 1-641 『とある授業の社会見学』第一章 Time Schudule Part-A(3) SS 2-158(未編集) 1-943 『告白儀式』(ハートトゥハート)『次回予告』 SS 2-161(未編集) 1-169 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』 第四章(7) SS 2-167(未編集) 1-943 「とある世界の『告白儀式』(ハートトゥハート)」(4) SS 2-182(未編集) 1-943 『告白儀式』(ハートトゥハート)おまけ 替え歌 「がちゃがちゃ禁書」 SS 2-195(未編集) 1-943 「とある世界の『告白儀式』」(5) SS 2-207(未編集) 1-169 「真赤な誓い Sounright_Heart」 SS 2-215(未編集) 1-641 とある授業の社会見学 行間 一 SS 2-220(未編集) 1-943 「とある世界の『告白儀式』」(6) SS 2-233(未編集) とある風紀の活動日誌 第一話 『愛猫家達』 SS 2-239(未編集) 1-641 とある三月の雛あそび SS 2-246(未編集) 1-943 「とある世界の『告白儀式』」(7) SS 2-256(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女(ブランクガール)』 予告 SS 2-262(未編集) 1-943 「とある炎の『告白儀式』」 「とある世界の『告白儀式』」 後日談 SS 2-273(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)プロローグ SS 2-276(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第二話『ねこLOVE』 SS 2-282(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第一幕[1] SS 2-291(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第一幕 [2] SS 2-298(未編集) 1-641 とある授業の社会見学 第二章 (1) SS 2-304(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第一幕 [3] Imagine Breaker02―上条当麻と愉快なクラスメイト達 SS 2-308(未編集) 1-943 もしもヒロイン 御坂妹編 SS 2-315(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第一幕 [4] SS 2-330(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第三話『愛猫家への道』 SS 2-331(未編集) 1-943 とある炎の『純白返礼』(ホワイトリフレクション) SS 2-335(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第一幕 [5] SS 2-343(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 SS 2-350(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第一幕 [6] SS 2-361(未編集) 2-360 とある学園の生徒会 プロローグ SS 2-374(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第一幕 [7] SS 2-393(未編集) 2-392 とある天草式の腐敗子(カープション、チルド) SS 2-403(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第一幕 [8][9] SS 2-425(未編集) 1-169 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』 第四章(8) SS 2-428(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 予告編 SS 2-437(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 [1] SS 2-444(未編集) 1-169 ポーカーネタ SS 2-454(未編集) 1-758 月姫クロスオーバー『DEEP BLOOD』(3) SS 2-461(未編集) 1-943 軽くメルブラクロスオーバーショートストーリー SS 2-465(未編集) 2-392 とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[2] SS 2-472(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 [2] SS 2-536(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 [2.5] 幕間 SS 2-542(未編集) 1-169 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』 第四章(9) SS 2-557(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 [3] SS 2-583(未編集) 2-582 「第一章・事前打ち合わせ Prior_Meeting.」 SS 2-589(未編集) 2-392 とある天草式の腐敗子(カープション、チルド)[3] SS 2-601(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 [4] SS 2-645(未編集) 1-169 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』 第四章(10) SS 2-655(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 [5] SS 2-664(未編集) クライマックス嘘予告 SS 2-668(未編集) 1-169 JOJO風幻想殺し考察 SS 2-671(未編集) 1-943 妄想劇場 『禁書でD』 SS 2-679(未編集) 黒当麻 大覇星祭 if SS 2-690(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 [6] SS 2-715(未編集) 1-169 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』 第四章(11) SS 2-728(未編集) 1-758 とある○○な吹寄制理 SS 2-737(未編集) 1-943 とある世界の『空白少女』(ブランクガール)第二幕 [7] SS 2-74(未編集) 1-943 嘘予告 嘘場面禁書編 SS 2-745(未編集) 1-641 とある五月の端午節句 ――いつも、五和たんの巻―― SS 2-764(未編集) 1-943 ソードマスター上条 2-770(未編集) 1-42 とある魔術のMissing 2-774(未編集) Reckless Imagine ~とある魔術と禁書目録~ 2-782(未編集) 上条戦士・フラグマン 2-807(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第四話『家族と破壊とミサカと俺と』 2-829(未編集) 2-785 桃色郷~妄想展開真っピンク~ 前編 2-835(未編集) 1-169 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』 第四章(12) 2-849(未編集) 2-820 とある魔術の 堕落天使(コラプト)corrupt 序章 2-862(未編集) 1-641 とある七月の七夕儀式 ――いつも、いつも、五和たんの巻―― 2-884(未編集) 2-877 とある異人の永久彷徨 序章 嵐の前触れ The_stormy_night 2-902(未編集) とあるプリンの争奪戦 2-905(未編集) 1-169 「とある魔術の禁書目録 Missing Page 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』」 行間 三 2-908(未編集) 1-169 「とある魔術の禁書目録 Missing Page 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』」 虚章 語らう者たち My_Fair_Lady 2-912(未編集) 1-169 「とある魔術の禁書目録 Missing Page 『とある天使の灰姫遊戯『シンデレラストーリー)』」 終章 ものがたり Power_to_the_Dream 2-984(未編集) 14巻嘘予告 2-987(未編集) 最終巻予告 2-989(未編集) 2-785 桃色郷~妄想展開真っピンク~ 後編
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/97.html
Date 2006/03/12(Sun) Author SS1-149 「えー、なにやら背後からアブない気配というか殺気のようなモノを感じるのですが気のせいでせう?」 学園都市の裏路地。 ”運悪く”こんな時間まで不良に追い掛け回され、ようやく撒いたと思った矢先のコト。 上条当麻はピンチの予感に身を強張らせていた。 「あー、これがあれですか。通り魔ってやつですか。しかしこういうのって普通は女を狙うヤツが多いんじゃないんですかー!?」 きゃー、と女々しい悲鳴を上げて上条は走り出す。 バタバタと音を立てて駆ける上条。 スタスタと着いて来る通り魔(?)。 「————、やばッ!」 そして”運悪く”、上条は袋小路へと足を踏み入れてしまった。 逃げ場はない。入り口に戻ろうとしても、もう手遅れだ。 振り向けば袋小路の入り口に、通り魔(?)らしい男が立っている。 「よう、そんなに慌ててどうしたんだ?」 男は心底不思議そうにそう言って、不気味に口を歪めてシニカルに笑った。 その笑みを見て、自分が追い詰められたコトを上条は自覚する。 「どこの誰か知らねえけど、まあ”運が悪かった”と思って諦めてくれや」 袋小路の入り口にいるのは異様な外見の小柄な男。 色の抜け落ちた髪。顔全体を覆う禍々しい刺青。極め付けに、耳のピアス穴には携帯ストラップがぶら下がっている。 何かを勘違いしているような、非常に現実味のない刺青の男。 その男を現実と結び付けているのは、現実味があり過ぎるほどにあると言える程、鈍い光沢を放つナイフだった。 「そんじゃぁいっちょ……殺して解して並べて揃えて晒すとしますか」 とある魔術の禁書目録×戯言シリーズ(零崎シリーズ) なんとなく書きたかったから書いた。次は何にしようか迷っている。
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/185.html
Date 2010/01/07(Thu) Author 4-252 大量の宿題が舞い散り、欠席を埋めるための補修が猛威を振るう。そんな中で残された冬休みは年末と三箇日だけだった。 「つーかインデックス、シスターさんなのに初詣ってどうなの?」 「……む、それは話せば長いんだけど……」 真冬の冷たい風の中、心なしか静かになった町並みを上条とインデックスは歩いていた。学生主体の街だ、夜という時間もあいまって人は少ない。 目的地は神社だ。学園都市といっても教会は存在しているし、同じように神社もあって、夏祭りや初詣はそこを中心に行われている。 一見、宗教というものは学園都市にとって相性が悪いものに思える。実際にそういったものの必要性を疑問視する声もあるが、それはしかし一面しか見ていない意見だろう。学問であればなんでも扱う学園都市では当然宗教学の研究も行われている。もちろん二十年の開きがあるといわれている科学分野とは比べ物にならないが、宗教学における『実験施設』として寺院は存在を許されていた。 「そもそも、それぞれの宗教にはそれぞれの縄張りがあるんだけど」 息を白くさせながら、修道服にマフラーという奇妙ないでたちのインデックスは得意げに語り始める。 「たとえば、ロンドンはイギリス清教圏、バチカンはローマ正教圏。どっちも『圏』っていうより総本山なんだけどね。それで神教、仏教にも同じようにそういう縄張りがあるんだけど……その、当然というか何というか、学園都市内には神教の縄張りは存在しないんだよ」 「……ハイ?」 意味が分からず、上条は首をかしげた。 「……じゃあ、今から行く神社は?」 「ん、イギリス清教徒(わたし)的には、その辺のファミレスと変わらないかも。魔術もない、神様も居ない、神社の真似をした普通の建物だね」 学園都市が作られた際、当然その敷地の中には出雲や比叡山に連なる寺院仏閣があった。しかしあるときは暴力を持って、あるときは交渉を持って、それらの実体——魔術や宗教に関わるもの——を排除したのだという。 「だから、今学園都市にあるのは何々神社っていう名前だけなんだよ」 「じゃあご利益とかは……」 「当然無いけど、もしあったとしてもとうまの右手はそれを打ち消しちゃうよ?」 「不幸だー……」 そもそもご利益なんて信じては居なかったけれど、『ある』と断言された後に『でも貴方には効きません』と言われたら少しは凹むだろう。おまけにそれが目的地を否定している。神社を目指した理由は「暇だからいってみっかー」みたいな軽い気持ちだったが、それでも足取りは少し重かった。 「神社かー。……姫神とか、いたりすんのかな?」 「……? あいさがどうかしたの?」 インデックスは小首をかしげ、傍を歩く上条を見上げた。上条は頬を掻き、誤魔化すように答える。 「ああいや——ホラ、あいつ最初会った時巫女服着てただろ? だから神社とは縁があるのかなーって」 「? あいさは神社の人じゃないよ?」 「いやそうだろうけど、あの巫女服……」 「確かに似てるけど、細部が違いすぎるかも。どの流派とも違うし、どの流派とも似てるから、たぶんどこかのだれかが『巫女服ってこんな感じ』っていうイメージで作ったものだと思うよ?」 「ということはアレ、本当にコスプレだったのか……。っと、神社見えてきたぞー」 角を曲がった先に目的地である神社、その鳥居が見えた。ビルに囲まれたそれは遠めに見ても神社らしくはなかったが、通りを占拠している屋台の群れが辛うじて神社ということを主張している。——もっとも、あの話の後ではありがたみが感じられないが。 祭囃子こそ聞こえないけれど、そこは夏の縁日と似たような空気だった。鉄板で焼ける焼きそばやたこ焼きから蒸気が立ち上るところは夏祭りそのまま、通る人々の口から蒸気に似た白い吐息が少し違う。襟元まで覆うような服装、手を擦り暖めるような仕草、細かな点がいくつも違っているが、どこか浮き足立つような空気は同じ。ソースの匂いがここまで漂ってくるところも……。 (……ソースの匂い?) デジャヴに急かされるように上条は傍らのインデックスを見て、 「ああやっぱいないし! どこに行ったんですかあのはらぺこシスターさんはー!!」 いつの間にかインデックスは姿を消している。ヴェネチア、大覇星祭でも似たようなことがあった。知り合いの世話になったり屋台を襲撃したりと、ろくなことにならない前触れ。 「…………もういいや、放っておこう……」 諦めた独り言を、上条は呟いた。 人ごみの中で、上条は周囲を見渡している。 (……ツレもいないのにこーいう場所って、ミョーに寂しくなるよなぁ……) クラスメイトでも居ないかと探しているのだった。まわりは誰も彼も集団で、的屋を襲撃したり道のど真ん中でヒャッハー叫んでいたりとずいぶん楽しそうにしている。屋台もろくに見ずに通り過ぎていく人間ばかりを見ていると、しばらくして見知った後姿に行き当たる。 「おーい、そこにいるの御ビリビリじゃねー?」 振り向くのは早かった。何かを食べていたのだろう、頬を膨らませたままこちらを向きすぐに背を向ける。飲み下してから改めて向き直った。 「な、なんでアンタがここにいんのよっ! ていうかビリビリじゃないっ!」 「なんですのお姉さま、そんなに慌てて……ゲェッ」 御坂御琴と白井黒子だ。わたあめの袋や抱えられた景品を見る限り、年の瀬をずいぶん満喫しているようである。 「普通に初詣に来てるだけだけど……ていうか、人の顔見てゲェとか言うな」 「ふ、ふーん……。何よアンタ、一人でこんなトコ来て寂しくないの?」 「あー、いやさっきはぐれちまって」 はぐれた、というより暴走したのを放置しているだけなのだが、説明するのも面倒くさそうなので端的に現状だけを言う。 「それよりそっち、美味そうなの食ってんなー」 「ああコレ? コレはあっちのほうの屋台で……」 御坂が食べていたのはお好み焼きのようだった。学園都市によくある謎のゲテモノではなく普通のものに見える。あまりお上品な食べ方をしていないのだろう、小さな歯型がいくつかあった。 「ふぅん、一口くれね?」 「え……ひと、一口って、え、えぇ……」 嫌がるような言葉と反対に、おずおずとお好み焼きのトレイを差し出す御坂。その隣で白井が身構えたのを尻目に、上条はトレイを受け取った。 一緒に添えられた箸でお好み焼きを取り、躊躇なくかぶりつく。白井は御坂にヘッドロックをかまされていた。 「ん、むぐ……んん、やっぱこういうとこで食うのは美味いよなぁ」 「そそ、そそそそう……。もう一口くらい、いいわよ……?」 「え、マジ? じゃあ……」 御坂の言葉に甘えて上条はまた口を開ける。御坂はというと何故か顔を赤らめながら、潤んだ瞳でお好み焼きを見ていた。御坂の歯型が残る辺りを上条が食べようとして……。 御坂の腕の中から白井が消えた。 「おおおお姉さまの、食べさし——!!」 頭上からの声に、上条は顔を上げる。視界にあったのはテレポートで跳んだ白井の靴底(と、中学生にしてはオトナすぎるパンツ)だった。 「うどぅわぁ!?」 「黒子っ!?」 文字通りのドロップキックを足運びでかわす。だがとっさのことに、上条はお好み焼きのトレイを手放してしまっていた。宙に浮いたそれを黒子は一口にほおばり、咀嚼して、飲み下した。 「うふ、ふふふふふ……お姉さまの体液は全てワタクシのモノですの……」 「何してんのアンタは!?」 「仕方ないんですの! お姉さまの貞操を守るためには……!」 「貞操言うな——!」 御坂の前髪から幾筋もの雷撃が走るが、しかし白井はその度に細かくテレポートで回避していく。何件かの屋台を破壊しながら御坂たちは人ごみの向こうへと消えていった。 「なんだったんだアイツらは……」 いきなりな展開に付いていけず、上条は遠い目でため息をついた。 と。 その背後から、肩を叩く手がある。 「……オイにーちゃん? アンタさっきの連中のツレだよなぁ……?」 「……ハイ?」 恐る恐る振り向いてみれば、あからさまなまでにヤンキーファッションな大男が一人。——ただし、その髪を半分アフロにしながら。 「ちょーっと、コッチ来て貰えねぇかなぁ? お?」 その背後からは似たり寄ったりの服を着たお友達が沢山。服や鞄に焦げ目をつけたり、煙を上げる携帯はファッションではないようだったが。 屋台を壊され呆然としていた人々もまた、ゆっくりと歩み出て上条を囲み始める。丁度いい八つ当たり相手を見つけた、みたいな表情で。 「……えーと、ちょっと待ってください? 俺は通りすがりみたいなもんで、あの二人とは顔見知り程度の——」 「ンの割にゃあ仲良さげだったよなああぁぁぁぁぁ?」 「イチャイチャしやがって、おまけに屋台までよぉ……この糞が、こちとら冬空ン中必死こいてやってんのになぁ……」 「なんか妙な私怨まで——!?」 辛うじて残っていた隙間を抜け、上条はその場から逃げ出す。 いつもの口癖を叫びながら、大勢の通行人の中を。 上条を囲んでいた連中もまた後を追い、騒動がその場から去った時。 「……上条。くん?」 その呟きを聞く者は、誰も残って居なかった。
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/142.html
元スレ:上琴SSスレ Part2 2-34(未編集) Safest_Place_to_Hide 2-46(未編集) 1-337 そして親衛隊は釘をさす 2-63(未編集) ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―幸福の美琴サンタ― 6 2-98(未編集) 1-337 天草式MMR 2-107(未編集) よくあるソレなショートストーリー 2-117(未編集) 小ネタ 科学サイドと魔術サイドの戦争が終わり数年後 2-129(未編集) 小ネタ っつか御坂も風邪なんてひくんだな 2-140(未編集) ◆somJVmVTuY 小ネタ そんな足じゃ寮まで帰れねーだろ? 2-150(未編集) ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―幸福の美琴サンタ― 後"日"談その1 2-162(未編集) 小ネタ 上条さんがまた入院しました。 2-167(未編集) 2-164 一端覧祭 2-178(未編集) 1-337 心を奪われ、射ぬかれ、包まれて 2-196(未編集) とある二人の教育実習(キンダーガーテン) 2-213(未編集) ◆Oamxnad08k もしも美琴が上条の妹だったら 2-232(未編集) 2-230 とある帰り道 2-253(未編集) 2-196 小ネタ 大覇星祭、閉会式直後。 2-261(未編集) 1-337 橋の下の決闘・上条vs黒妻 2-288(未編集) ◆msxLT4LFwc 当麻と美琴の恋愛サイド ―幸福の美琴サンタ― 後"日"談その2 2-301(未編集) 小ネタ あの鉄橋